Do you know any good medicine for a headache?




神門玲は頭痛に苦しんでいた。

「玲、何探してるの?」
「バファリン。…おー、あったあった。」
「頭痛いの?」
「ああ。」

自分の刃友が先ほどから何かを探しているようだったので、
紗枝は声をかけた。
せっかく、部屋に遊びに来たというのに、
やたらと大人しく、自分にかまってくれないのはそのせいか。

「効かないわよ、それ。」

紗枝が玲の手にしている薬を、指さして言った。

「何言ってんだ。バファリンの半分は優しさでできてんだぞ。」
「だから効かないのよ。だって、その小さな粒の半分だけなのよ、優しさ。」
「まぁ、ものは言い様だな。」
「でも、私は全部優しさでできてるわよ。」
「へーへー。」
「私なら、玲にいくらでも優しくするわよ。」
「はいはい。」

紗枝の言葉に、玲は先ほどとは別の意味で頭が痛くなった。

「試してみる?」

紗枝は椅子から立ち上がり、玲に迫り、その手から薬を奪った。
奪われるのが薬だけではないことに、玲は気づいていただろうか。


+++しばらくお待ちください+++


「ね、頭痛いのなんて忘れたでしょ。」
「ん、あ…そうだな。」

掠れた声で玲は答えた。

「というか、お前、早くどけ。重いぞ。」
「あら、失礼ね。これでも玲より2キロ軽いんだけど。」

正直、玲にとって紗枝は重くはなかった。
制服の乱れ切ったこのままの状態でいるのが嫌だったのだ。

「それに、私、どくつもりないわよ。玲、もう終わるつもりだったの?」
「ちょ、おまっ…」
「だから言ったでしょ。私はいくらでも優しくするって。」


END

ウチのおとんが「バファリン」のことを「バッファリン」というのです。
ほかにも「バッファリン」と発音される方がいましたので、父の勘違いではないようですが。
もしかして、昔は「バッファリン」だったのですかね?


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